私は1979年11月に福岡県北九州市で生まれました。小学校1年生まで北九州市で過ごしましたが、父親の事業がうまくいかず、学年の途中で北九州市から父方の実家がある小石原村（現在は福岡県朝倉郡東峰村）に引っ越すことになりました。

その村で私を待ち受けていたのは、生まれて初めての「仲間外れ」の経験でした。小学1年生にして、コミュニティから孤立させられる苦しみを味わったのです。

この経験が、私のテラ・ルネッサンスでの活動の原点となっています。

高校在学中、私はスリランカへのスタディーツアーに参加する機会を得ました。

スリランカでは、私たちは現地の文化や社会情勢に触れる機会を持ちました。その中で、サルボダヤ運動を率いた社会活動家であるアリヤラトネ博士の存在を知りました。博士はスリランカ最大規模の社会運動を指導し、貧困や教育の格差といった社会問題に取り組んでいた方でした。彼の情熱と人々への思いやりに触れるうちに、私は深い感銘を受けました。

ツアーの一環として、私たちは博士との対話の場を持つことができました。博士は私たちに自分の経験や考えを分かち合い、社会的な変革を実現するための重要性を説いてくださいました。

その中で博士が述べられた言葉は、私の心に深く刻まれました。「すべての人に、未来をつくる力がある」というメッセージが私の胸に響きました。この出会いは私にとって人生を大きく変えるきっかけとなりました。博士の情熱と行動力に触発され、私も自分の力で社会に貢献することを志すようになりました。彼の言葉は私の原点となり、その後の活動や人生の指針となっています。

アリヤラトネ博士の言葉を胸に、私は立命館大学法学部に進学しました。バイトと学業を両立しながら、さらに社会課題やその解決のための運動に関心を深めていきました。

「自分に何ができるだろう」という問いを常に心に抱きながら、私は大学4年生だった2001年2月にカンボジアの地雷原に赴きました。地雷が残る土地、地面の下に広がる数え切れないほどの地雷、そして地雷被害者たち。 地雷がもたらす現実を目の当たりにし、私は再び考えました。

「自分に何ができるだろう？」バイトでなんとか学費を捻出している状況であり、地雷撤去を支援する資金もない。 地雷撤去の技術も持っていない。 組織もなく、経験もない。 そして、国際的な活動をする上では必須ともいえる英語も話せません。

数々の制約の中で、私がたどり着いた結論は、次のようなものでした。

中学校や高校で生徒会長を務めた経験から培った、多くの人の前で話す技術。 これまで参加したセミナーで学んだプロの話し方。私にもできることがあると、私は気づいたのです。カンボジアからの帰国後、すぐに講演を行い、私がカンボジアで見たもの、聞いたもの、そして自分が感じたことを伝える活動を開始しました。

そして2001年10月。京都の築50年、四畳半の自宅を事務所として、テラ・ルネッサンスを設立しました。